幼なじみの外科医と密なる関係~甘やかな結婚生活~
お義父さんに深々と頭を下げられ、私は恐縮してしまう。

「お義父さん、お顔を上げて下さい」

私はお義父さんの肩に手を添えて、微笑んだ。お義父さんが顔をゆっくりと上げた後に私は深々とお辞儀をした。

「私こそ、大切な息子さんと私を結婚させて下さりありがとうございます。

本当だったら、もっと出で立ちが良く、器量の良いお嬢様がお似合いだったのかもしれませんが、そんな事も関係無しに認めて下さり感謝しております。

瑛大さんの妻として、外科医の妻として、至らぬ点も多々あるとは思いますが、精一杯尽くしますので宜しくお願い致します」

「陽菜乃さん……、本当にありがとう。

陽菜乃さん、ご両親様、ご家族様、今日の日を瑛大の祖母もとても楽しみにしていました。鷹司家共々、どうか宜しくお願い致します」

お義父さんの目からは嬉し涙が零れている。

一人息子の瑛ちゃんに酷い事をしたと悔やんでいた様子だったが、今はただ、ひたすらに嬉しさで心の中がいっぱいみたいだ。お義父さんとのやり取りに実家の両親も涙を浮かべていた。

感動の瞬間も束の間にコンコン、とドアを叩く音がして、親族はチャペルに向かうように誘導された。
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