幼なじみの外科医と密なる関係~甘やかな結婚生活~
あの日、とは夕方からデートをしてイタリアンレストランでワインを飲み過ぎて……、瑛ちゃんに抱えられてタクシーで帰宅した日だった。

あの後は二日酔いになり、翌日は気持ち悪過ぎて仕事を休んだ。瑛ちゃんと抱き合って眠りに着いた時は平気だったのに、起きたらトイレに直行した。何だったのだろう、あのタイムロスは……?

「鷹司 陽菜乃様、ようこそお待ちしておりました」

瑛ちゃんと思い出話に花を咲かせていたら、目的地まで到着した様でスーツ姿の女性に出迎えられた。

到着した場所はウェディングドレスを選んだ場所で、結婚式で着用したのと同じドレスが飾ってあった。

「瑛ちゃん、一体どうして……?」

「もう一度、ウェディングドレス姿を見せてくれる?ドレス姿の陽菜乃を独り占めしたいんだ」

「……は、恥ずかしいよ、そんなの。でも、瑛ちゃんもタキシード着てくれるなら良いよ」

瑛ちゃんに真っ直ぐな瞳で私を見ながらお願いされたら断れない。

前撮り写真の時と披露宴当日と同じ髪型、同じティアラを身に付け、準備が完了する。身支度が整い次第、再び、リムジンに乗せられて出発した。

どこに向かっているのだろう?

予測がつかない事態に不安を抱えつつも、心を踊らされている自分も居て、ワクワクとした気分もあった。

「どこに行くの?」

「ここからが寄り道の醍醐味だから」

「寄り道に醍醐味なんてあるの?」

「あるよ。今から行く場所は寄り道としてのメインディッシュね」
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