幼なじみの外科医と密なる関係~甘やかな結婚生活~
産婦人科医の二宮先生は全てお見通しなのかな?

モヤモヤして気分は晴れないままだが、案内された特別室は広々としていて眺めも良かった。特別室はシャワーもトイレも別々についていて、大きなベッドの横には簡易ベッドも配置されていた。

「この病院は全室が個室だけど、特別室は最高だよ。

この場所に移転が決まった時に二宮ちゃんの意見が取り入れられた部屋。出産後の経過が良ければお祝い膳も家族と一緒に食べる事が出来たり、家族が一緒に寝泊まり出来る。赤ちゃんの兄弟が居るお母さんは心配で仕方ないからと言ってた。

勿論、兄弟を見て貰える家族がいる場合は、お母さんにゆっくりしてもらう為に他の個室もある。

病院を移転して新しく作り変えた時に院長に掛け合ってくれたのが、鷹司だよ」

「瑛大さんも二宮先生も、患者さんの為に全力で向かい合ってるのですね」

瑛ちゃんの口からは、これは名誉だと胸を張って言える事を聞かされた事は無い。俺は凄いんだ、とおごる事も無い。名誉や昇進に興味が無い、と以前話していたが、正にその通りで、誰かに自慢するわけでも無く、ひたすらに地道に働いている。
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