幼なじみの外科医と密なる関係~甘やかな結婚生活~
「瑛ちゃんは職場の皆さんに恵まれているのですね。お目にかかれて嬉しく思います」
「鷹司先生、瑛ちゃんって呼ばれてるの?」
「俺達も呼ぼうよ、瑛ちゃん先生って……」
瑛ちゃん、望月先生の話から煙たがられていると思ったけれど違うみたいで良かった。
「陽菜乃、周りがウザイから、外科以外の場所で話そう。行こう」
返事をする間も無いまま、外科の外へ出された。気付けば屋上に連れて行かれ、望月先生と三人で立っている。
「鷹司から結婚聞かされた時にどんな高飛車なお嬢様が現れるのかと思ったら、案外、素朴なお嬢様で好感持てたよ。
鷹司のお嫁ちゃんがこんなに可愛い子なんだから、私に勝ち目なんて鼻っから無かった訳だよね」
「え……?」
「大丈夫よ。私、鷹司の事は好きだったけど、何度も振られてるから。高飛車でただのお金持ちのわがままお嬢様だったら諦めないつもりだったけど、素直そうな天然お嬢様じゃ諦めるしか無いわ!」
望月先生はフェンスに寄りかかり、空を見上げながら言った。私の勘は当たっていて、望月先生はやっぱり瑛ちゃんが好きだったんだ。
瑛ちゃんは……、
「望月が男だったらな、親友になれたのにな」
と呟いた。
「それ、一番言っちゃダメなヤツなんだけど?
私達はこれからも同僚であり、一番のライバルであり、それ以上でも以下でも無く、……それでいて友達でも無いからな」
望月先生はそれだけを言い残し、屋上から立ち去った。去り際に震えた声で「お幸せにね」と言ったのが聞こえた。
「鷹司先生、瑛ちゃんって呼ばれてるの?」
「俺達も呼ぼうよ、瑛ちゃん先生って……」
瑛ちゃん、望月先生の話から煙たがられていると思ったけれど違うみたいで良かった。
「陽菜乃、周りがウザイから、外科以外の場所で話そう。行こう」
返事をする間も無いまま、外科の外へ出された。気付けば屋上に連れて行かれ、望月先生と三人で立っている。
「鷹司から結婚聞かされた時にどんな高飛車なお嬢様が現れるのかと思ったら、案外、素朴なお嬢様で好感持てたよ。
鷹司のお嫁ちゃんがこんなに可愛い子なんだから、私に勝ち目なんて鼻っから無かった訳だよね」
「え……?」
「大丈夫よ。私、鷹司の事は好きだったけど、何度も振られてるから。高飛車でただのお金持ちのわがままお嬢様だったら諦めないつもりだったけど、素直そうな天然お嬢様じゃ諦めるしか無いわ!」
望月先生はフェンスに寄りかかり、空を見上げながら言った。私の勘は当たっていて、望月先生はやっぱり瑛ちゃんが好きだったんだ。
瑛ちゃんは……、
「望月が男だったらな、親友になれたのにな」
と呟いた。
「それ、一番言っちゃダメなヤツなんだけど?
私達はこれからも同僚であり、一番のライバルであり、それ以上でも以下でも無く、……それでいて友達でも無いからな」
望月先生はそれだけを言い残し、屋上から立ち去った。去り際に震えた声で「お幸せにね」と言ったのが聞こえた。