幼なじみの外科医と密なる関係~甘やかな結婚生活~
立場が逆転するのは反則だから!

それに病院の白衣を着ている瑛ちゃんを初めて目の前で見て、心臓に負担がかかるくらいにときめいている。

目の前に居る瑛ちゃんは、私の夫であり、鷹司先生なのだ。頭の中では理解していても、実際に視界に入ったのでは感じ方が違うみたいだ。

望月先生から瑛ちゃんの凄さを色々と教えてもらった。持って産まれた才能も相まって、海外の有名大学病院お墨付きの心臓外科医となった。日本に帰って来てからは、海外での経験を活かして数々の患者さんを救っている。

総合病院の跡取り息子として最高の経歴を持つ"優秀な外科チームの一員"の鷹司先生。

経歴だけではなく、容姿端麗で私には勿体無いくらいの人物だ。

「ちょ、何してるの!」

「陽菜乃が病院に居るって思ったら、何だか嬉しくなった。この機会に皆に紹介出来て良かったと思ってる」

歩き出そうとしたら、背後から抱きしめられた。

私は立ち止まり、
「瑛ちゃんのチームの皆、良さそうな人達で安心した。私もお仕事の事、色々と聞けて良かったよ」
と瑛ちゃんの腕を両手で掴みながら伝えた。

「……今日の御飯、何? 陽菜乃の顔を見たら早く帰りたくなったな」

「今日は中華にしようと思ってるよ。早く帰れたら一緒に食べようね」

瑛ちゃんはほとんど帰りが遅いから、中々一緒に食べられない。21時までは待っている、との自分ルールを作ったのだが、週に半分を一緒に食べられたら良い方だ。

「鷹司せ、ん、……お邪魔しました!」

ガチャッと扉が開いて、バタンッと直ぐにしまった。誰かが瑛ちゃんを呼びに来たんだ。恥ずかしい所を見られてしまった……。

「早く帰れたら、もっとイチャイチャもしようね」

「……瑛ちゃんのバカッ!」

私達が抱き合っているのを見られてしまったから、扉を直ぐに閉められたと言うのに……懲りずに、耳元で囁かれた。今度こそはと瑛ちゃんから離れた。

日に日に、所構わずに瑛ちゃんの行動が甘さを増してくる。新婚さんって、こんなもの?
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