幼なじみの外科医と密なる関係~甘やかな結婚生活~
初音さんは料理は出来なくても、実は絵本作家だ。今でも合間を見ながら、絵本を制作している。有名なお嬢様大学を在学中から絵本作家になり活動していた。その他の素性は詳しくは知らないが、和菓子を包む包装紙や袋、パッケージが初音さんデザインになる日も近く、現在、企画中。

母も父も『初音さんにはお店を任せつつ、自分の仕事(絵本作家)も疎かにして欲しくないから、サポートはする』と意気込んでいたので、料理の事など、私も一切気にしていなかったのだ。

「初音さん、私と一緒に頑張りましょう! 一生懸命通って、美味しいお料理作りましょう!年末になったら、おせち料理も作るみたいなので、作り方を習得したら一緒に作りましょうね」

「陽菜乃ちゃん……、うん、私、頑張るね。高雅さんにもお義母様にもお義父様にも認めて貰えるように、努力します」

初音さんは本当に素敵な方で、完璧主義者とも思える程に隙を見せないと言うか、店でも何でもそつなくこなしていた。欠点なんて無いと勝手に思い込んでいた。

「さっきね、先生ったら酷いのよ。包丁で手を少し切ってしまったの。そしたらね、"少しくらい切った方が次からは気をつけるから良いんじゃないですか?"と言ってにっこり笑ったのよ。酷いと思わない?」
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