幼なじみの外科医と密なる関係~甘やかな結婚生活~
二宮先生がこひなの背中を叩くと「オ、……ギャー、オギャー」とやっと泣いてくれた。私は一連の流れを見ては、自然に涙がポロリと零れた。

「陽菜乃ちゃん、こひなは男の子でしたよ。少しの間、離れてしまう事になるけれど。後ほど、小児科医の方から御説明致しますね」

やっと泣いたこひなを二宮先生が抱っこして、私の顔の横に近付けてくれた。私がこひなの頬を軽く触る。その後、こひなは看護士さんにバトンタッチされ、バスタオルに包まれてどこかに移動してしまう。

「陽菜乃ちゃん、産んだ後の処理しますね。こひなちゃんは首に臍の緒が2回も絡まっていて、早く元気になるように小児科に行きました。体力が回復するまでに処置が終わるでしょうから、今はとにかくゆっくり休みましょう」

二宮先生にそう言われても、頭の中では整理できずにいた。こひなはどうしてしまったのだろうか? チアノーゼ? こひなは確かに唇が紫色をしていて、どことなく、肌もそんな感じに見えた。大丈夫なのかな?

心配は募るばかりだ。一刻でも早く、瑛ちゃんと母に会いたいよ。自分自身も母親になったのに、心細くてたまらない。初めての事だらけで、頭の中はパニック状態だ。

こひなに何かあったらどうしよう。どうして元気に産んであげられなかったのかな?
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