遊川くんは我慢ができない⚠
強く意気込む遊川くんの事情がわかっていない私。
“いきすぎたスキンシップ”が具体的にどのくらいなのか学園側から教えてもらっていないけど……。
知らないなら、とりあえずスキンシップを失くせばいい!
こんな簡単なことを、どうして難しいだなんて言うんだろう……?
遊川くんは困惑している私をしばらく見つめた。それから、
「可愛い子が毎日同じ部屋にいるんだよ?」
「へ?」
そのまま椅子から腰を浮かせたかと思うと、正面から腕を伸ばして私の顔に触れる。
ドキリと。また心臓が跳ねたのに、今度は抵抗できない。
だって遊川くんから無邪気さが消えている。
瞳に浮かんでいるのは肉食獣のような欲。
獲物を前にして早く噛みつきたくて仕方がないライオンみたいな激しさ。
その瞳に映る私は、さながらヘビに睨まれたカエルのようだけど……実際はまったく怖くない。