遊川くんは我慢ができない⚠
私の悩みを話してみても、わかってもらえないんだろうなって。
いやなことを思ってしまった。
でも、ニコっとあったかい笑顔を向けられたから。
「なんにも考えなくていいんだよ。ただやりたいことをやって楽しむだけ!」
私はなにを考えてたんだっけ?って。
頭の中でぐるぐる回っていたものはまっさらに消えた。
ぐっぐっ、と強すぎない力でしわが伸ばされ、かちこちだった頭がゆるんでいく。
「ね、俺とデートしてください!」
控えめに、指先だけが私の指に触れられる。それは遊川くんらしくなくて。
はじめは強引だったけど、私が困ってるのがわかったから……私の気持ちが動くのを待ってくれてる。
これ以上近づいちゃダメだって思うのに。
デートを失敗したらどうしよう、なんて不安がなくなったから。
「……私でよければ!」
気づくと、了承の返事が口から飛び出してしまっていた。