遊川くんは我慢ができない⚠



 私はそれどころじゃないのに!


 遊川くんは私の手ごとレバーを掴んで操作している。


 ここで私が邪魔をして、もしも景品が取れなかったら、遊川くんのお金が無駄になってしまうわけで。


 つまり、私はじっとされるがままでいるしかないわけで。


 でも、背中に感じるのは、いつにも増してぴったりとくっついている大きな身体。


 こんなの、どうしたって緊張するに決まってる!!


「ゆ、遊川くん!」

「おっ、取れた~」


 ドキドキに耐えきれずに声をあげたとき、降ってきたのは気の抜けた遊川くんの声で。


「りっちゃんの初チャレンジ、大成功!」


 景品である小さな鳥さんが、私の肩にのってきた。


 ふわふわとした白い毛が私の頬をくすぐって、肩の力が抜けていく。


「……かわいい」


 つぶらな瞳とちっちゃいくちばしが可愛くて、自然と口元が緩んだ。


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