遊川くんは我慢ができない⚠



 ゲームセンターにやって来てすぐ、この子に心を奪われていた。


 少し離れたところからでもわかる可愛さに『遊川くんはこの子もゲットできるのかな?』なんてぼんやりと考えて。


 そしたら、遊川くんが私を一直線にここへ連れて来てくれたんだ。


「ちゃんと取れて、よかったね」


 私が欲しいものにすぐ気づいてくれたのも。


 遊川くんのお手柄(てがら)を私の成功ってことにしてくれたのも。


 私を見てくれてて、私のことを思ってくれてるってことだから。


 まだ出会ったばかりだけど、大切にされてるって実感する。


 胸がきゅうって甘い音を立てた。


「ありがとう!」


 さっきから口元がゆるみっぱなしなのが自分でもわかる。


 力を入れられないままに、私の顔を覗き込んだ遊川くんと目が合ったその瞬間。


「うわ!」

「わっ!」


 遊川くんが驚きの声を上げ、なぜか小鳥ちゃんが体当たりをしてきた。


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