遊川くんは我慢ができない⚠



 なんで攻撃されたの!?


 ただお礼を言っただけなのに!?


 地味に痛かったよ!!


 それにね、遊川くん……。


「これじゃあ、なんにも見えないよ!」


 軽く混乱した私はワッと声を上げた。


 視界を塞ぐふわふわを剥がそうとするけど、遊川くんは力を緩めるどころか余計に力を込める。


「りっちゃん、動かないで。少し我慢して」


 そう言った遊川くんの声は困っているみたいで、いつもより弱々しい。


 でも、口調はしっかりしていて真剣。


 ぴたっと私の動きが止まって、反抗する気持ちがしぼんでいく。


 ……仕方ない。ここは大人しくしよう。


「なにあれ? 押し付けられてんのかわいそ~」

「一体なんの遊びなんだろうな」


 遊川くんに身を任せていると、男の子二人の声が私たちの横を通った。


 耳に飛び込んできたのは(あわ)れむような声。


 彼らがどんな顔をしているのかわからないけど、見えなくてよかったかもしれない……。

 
 というか、これがなにかなんて私が一番ききたいよ!


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