遊川くんは我慢ができない⚠



「うん、ごめんね」

「反省してる顔じゃないじゃん!」


 そうは言っても、止められないものは仕方がない。


 私を喜ばせたのは遊川くんだもん。私は悪くないよね!


 と、開き直っていると。


「ずいぶんと余裕そうだね」

「えっ?」

「りっちゃん、気づいてる? ここは寮の外だから、いっぱいイチャイチャできるんだよ」


 いつの間にか、仲良く繋がれた遊川くんと私の手。


 そのまま力強く引かれ、ひと気のないところへ連れて行かれる。


 私の方へ向き直り、笑みを浮かべる遊川くん。


 私を嬉々(きき)として壁に追い込む様は、明らかに肉食モードで。


 おまけにここは遊川くんの言うとおり、寮の部屋じゃない。


 当然、遊川くんを制御(せいぎょ)するシステムはここになくて。


「イチャイチャなしのデートをした―――」

「はい却下」


 被せるように断られた瞬間。


 数秒だけ遊川くんの手の力がゆるみ、


「こうしたら、簡単には逃げられないね」


 再びお互いの手のひらがぴったりくっついたとき、お互いの指が固く絡み合っていた。


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