遊川くんは我慢ができない⚠



「へ?」


 な、なにが起きた!?


 遊川くんと顔が近くて、目を合わせて。


 それで遊川くんがもっと近づいたから唇同士がぶつかって……いや、そうじゃない!


「わたしたち、キスしたの!?」

「首をかしげてるのが可愛くて、つい」

「そんなうっかりみたいなノリでやっちゃダメだよ!!」

(すき)を見せるりっちゃんが悪いんだよ」


 混乱している私と正反対な遊川くんは、悪びれもなさそうに言い切った。


 そこまで堂々とされたら、私が悪いって気がしてくるけども!


 でも、私はこれがファーストキスってやつなんだよ?


 乙女的には、お互いの気持ちを確かめ合ってからしたかったよ……。


「怒った?」


 力なくうなだれていると、遊川くんが私の顔をのぞき込んだ。


 合わさった瞳は不安そうに揺れている。


「怒ってはないよ!」

「じゃあ嫌だったからしょんぼりしてるの?」

「違うよ! ぜんぜん嫌じゃない!!」

「……そうなんだ?」

「あ……」



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