遊川くんは我慢ができない⚠



 反射的に答えてから気づいた。


 そうだ。私、遊川くんとキスしても嫌じゃなかった。


 さっきも、真っ先に思ったのは“両想いじゃないのに”ってことだったし……。


 ……って、あれ。


 つまり、遊川くんは私にとって。


「嫌じゃないなら、またしてもいいよね」

「え」


 大事な考え事をしているのに、自由な遊川くんは私の思考をあっさりと奪っていく。


 さっきよりも長く唇が重なっているのは、私が嫌じゃないと自覚してしまったせい。


 判断がにぶくなって、流されてしまう。


 抵抗しなきゃ!と我に返ったときには、遊川くんはもう離れていて。


「俺の前では気がゆるんでて、隙だらけで……俺が毎日、どれだけ我慢してあげてるのか、知らないでしょ?」


 遊川くんはふかーくため息をついた。


 それは一見、呆れているようにも見える。


 でも、よく見ると瞳の奥で隠れた光が揺らめいている。


 見覚えのある光。初日に見たのとおんなじだ……!


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