遊川くんは我慢ができない⚠



 片方の手を私の頬に添えて、またその薄い唇を寄せて―――


「公共の場で、こんなのダメ!!」


 かろうじて3回目は止められた。


 遊川くんは不満そうな顔をしているけども!


 ダメなもんはダメだよ!


 それに、これ以上流されたら、寮に戻っても負けちゃいそうな気がする!!


「でも、嫌じゃないんでしょ?」

「そ、それはそうだけど!」

「だったらやめない」


 私がガードのつもりで向けている手のひらに、わざとらしく唇を押し付けた。


 響いたリップ音と伝わってくる微熱(びねつ)


 ドキっとして、慌てて手を引こうとする。


 それなのに、力強く掴まれているせいでぴくりとも動かせない。


 恥ずかしさとあつさで、目がうるんでくる。


 ここ数日の中で一番、心臓が、脳が。


 危ないって叫んでる気がする……!



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