遊川くんは我慢ができない⚠



 とまどいつつも腕から抜け出そうともがく私。


 だけどしっかり包み込んでる遊川くんの力はやっぱり男の子で、私じゃ敵わなくて。


 自分とは違う香りが鼻をくすぐったのもあって、ドキリと心臓が跳ねた。


 ……って、今は流されちゃダメなとき!しっかりして私!


「遊川くん! こ、こんなことしてたらブザーが―――」


 ―――ビー!ビー!


 私の声をさえぎるように、(にぶ)くもよく響く警告音(けいこくおん)がイケナイコトをしていると全生徒に知らせた。


 思春期の男女が住むために学園側が各部屋へ設置した監視(かんし)システム。


 カメラじゃなくてサーモグラフィーが設置されていて、それをAIが監視しているらしい。


 監視されているとはいえ、私たちのプライバシーを考えてくれているのはとてもありがたい。


 今は学園側の配慮(はいりょ)に感動している場合じゃないけども……。


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