オタクな俺とリアルな彼女。
始まる時間は様々だが,必ず23時の半を回ると終わる。

『翌日に支障が出ると困るからな』

らしい。

堂々と酒が呑める,つまりビジュアルからだけでなく,確定で年上。

入学して半年弱,大学1年の俺から見て,3つ上くらいだろうと踏んでいる。

その辺りのプロフィールは何一つ分からない。

理由なんて聞かなくても知れている。

『必要ない』

バッサリ切り捨てる彼女の幻聴が聞こえる程だった。

そして2つ目に,翌日を気にする彼女はしっかり働いてもいるのだろう。

3つ,3つかぁ。

すっかり虜になっている俺は,いつも脱力しながらそう悔しがるのだ。

学生ですらない彼女に,どんな偶然があれば逢えるのだろう…

くそ。

再度宣言しよう。

俺は配信者『氷室奏(ひむろ かなで)のキモオタで,リア恋勢である。

飾らない彼女の名乗る名は,本名だと言うのがリスナーの間で度々話題になる見解だ。
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