花を飾った君に、いつか

「けほ...は、っくしょい!」



風邪、ひいた......



神様、そんなに私が嫌いですか?それとも神様も巳夜くんが好きで、私が許せないのですか?



目の付け所は二重丸でも、わたし同担拒否だから!



いくら偉くて偉い神様でも巳夜くんは渡さな...



「恋色、そこ壁」



ガン!!



痛い、痛い。目の前も足元もゆらゆら揺れている。



巳夜くんの心配する声が聞こえるけれど、そんなに近くに寄って風邪が移ったら嫌だ。



大袈裟に後ろに倒れ、「大丈夫!」とピースをつくる。



じい、といつかの巳夜くんのように穴が空くほど見つめられるから、何気なく距離を置いた。



いつも通りご飯は食堂、明日明後日はちょうど土日だし、たしか夜の自由時間は凪ちゃんの彼氏さんと少し話してから帰るって言ってた。



これで少しの時間は巳夜くんと離れていられる。



休む、やじるし、復活、やじるし、体育祭!



大丈夫大丈夫、私体力だけは人の五倍あるから。強くて頑丈だから。

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