花を飾った君に、いつか
目を開けようとしたけれど上手くいかず、部屋着から出ているお腹をしまうこともできないまま、眠りに落ちた。
「...っ冷た、い」
「ん、ごめん、起こしたね」
目の前に映ったのは、真っ暗の部屋でもわかるくらいの近さにある巳夜くんの顔。
熱を持ったままの頬に、骨ばった手の甲を軽く当てるから、もっと体温が上がりそうになる。
それでもおでこはひんやりしていて、巳夜くんの手にはすっかり乾いたシート。
巳夜くん、ずっといてくれた?え、今何時?
「まって巳夜くん、この距離アラーム鳴らない?評価に響いちゃう...!」
「特別に内緒で解いてもらったから平気。一回起きられる?熱計ろっか」
巳夜くんの優しさが私の涙になりそうで必死におさえる。熱があると、誰かを求めたくなるらしい。
それに、話したくても話せなかったから、推しに優しくされたから。
でも、なんだかしっくりこない。