花を飾った君に、いつか
力の入らない私の腕を抑えながら、私の顔をのぞき込んで聞いた。
「スマホの画面、どうしたの?」
「スマホ...?」
すぐ横に置いてあるスマホへと視線を向けると、画面には高校生の時の写真がとんでもない明るさで映されている。
こ、こ、これ.....!!!
寝ぼけて操作したであろうそれは、見てくれ見てくれと主張してるようにみえて。
巳夜くんとの最初で最後のツーショットが画面いっぱいに載っているのは、私のルーティーンといっても過言でない。
...なんて言えないけどね!
その写真はロック画面にも設定されているもの。
一生忘れないこの思い出は、去年の夏休みにしまってある。
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最初は、なんだか顔の良い、テレビの中それとも雑誌の中の人かとも思った。でも纏っているのは私と同じ学生服。
そんな初対面の人とぶつかってしまうくらい急いでいた私だけれど、なんだか彼を見つけたことが私の心に刺さって抜けなくなった。
一瞬で。
「...なんか落とした、はい」
「あ、あ!そう、志望校の紙提出しなくちゃいけないんだった!」