花を飾った君に、いつか
内心すっかり引いてて、心の距離100メートルってことは有り得る話で今更ちょっと怖い。
───ただ、今怖いのは目の前の巳夜くんだ。ぶれぶれの写真をロック画面にしている私を見て、巳夜くんはどう思う?
お願いです、これ以上心の距離をあけないでください。
巳夜くんを常に見守っていけるくらいの近さを...
「...写真の俺ばっかずるいよね。恋色、こっちの俺のことは見てくんないの」
「...を???」
視線をあげると、口角が下がりきった巳夜くんと目が合って、熱とはちがうなにかが私の頬を染めた。
私から目を逸らさないのは、今見てってことだろうか。
初めて会った日はもちろん特別で、それはもう写真を見つめてから眠るくらいに大好きな巳夜くん。
それでも今日の巳夜くんも世界一に大好きで、あの写真と違うのは顔が赤いくらい......え、ちょっと赤すぎない?
「み、巳夜くん??素敵なご尊顔がりんごみたいに...」
「...あーもー。ほら、まだ寝てなよ。おやすみ」