花を飾った君に、いつか
今日も大好きです
もう“推し”以上に思ってること、結構前から知ってたの。
女優さんならこんな人が似合うんじゃないか、この学校の中ではああいう雰囲気の彼女さんだったら尊くて死んじゃうかも。
推しに対してのファンっていうのはどうにも自分勝手で。
...それは恋でも一緒だったの。
誰の隣にもいかないで、好きな色も、その気の抜けた笑い方も知らなくていいのに。
可愛くない私はどうすれば巳夜くんに好きになってもらえる?
いつしか私は巳夜くんしか見えなくなっていた。
「“騎士と姫”はやめましょう」
「あんなに楽しみにしてたのに?」
そう話したのが本番三日前。
一人が頭に紙風船をつけて、また一人はバルーン風船の剣を持つ。前者が割られないように、後者が相手の風船をこわしてその数をきそう競技。
巳夜くんと二人で戦える!って一番わくわくしていた競技だから、彼に怪しまれていても当然だ。
きっと足を引っ張る。私が失敗して巳夜くんに悪い影響をあたえたりしたら。
恋色がいうなら、と渋々受け入れてくれたのは、とっくにいつもの就寝時間を過ぎていた。