花を飾った君に、いつか
...惚れ直すってどういう意味!?
唯一理解が追いつかないその言葉を調べようとスマホを取り出したけれど、その意味を知る前に目線はまっすぐ前に向いた。
「今の、すっごくドキドキしちゃった!もっと人通りのある場所なら周りにアピールできたのに」
「え、学園長...!」
高い位置で纏められたウェーブ髪がお似合いな、それでいてサングラスをかけているオシャレな学園長。
なんだか背景の学校が不釣り合いに見えるくらい、格好良い人。
こうやって面と向かって話すことが無かったから、巳夜くんとのことが乗っかってさらに緊張してしまう。
「貴方にいつ渡そうか迷っていたけれど、今がいいかしら」
ごめんね、話してたの聞いちゃったの。そう言われて、さっきの出来事がまた頭に浮かんで顔を赤くさせる。
ポケットから出された四つ折りの紙を開く学園長。早く読んでと言わんばかりに差し出してきた。
...あ、これ入学する前に書いた課題?
いわゆるアンケートみたいなもの。
入学式までの課題として渡されたそのA4サイズの紙には、どんなイベントがやりたいか、好きな食べ物、得意なこと...
十項目ほどの質問に記入した覚えがある。