花を飾った君に、いつか
右上には当たり前のように名前。
「...氷天 巳夜。巳夜くんのだ」
「そう、貴方のパートナー。一番下の欄を読んでみて」
真四角の解答欄、上がりも下がりもしない均一に整った字は3行並んでいる。
“この学校に期待していること、何か不安なこと。ご要望、ご質問があればお書きください”
書いても書かなくてもいい欄。私は書いた覚えがない。
巳夜くんも書かなそうなタイプだけれど、そんなことはなかったらしい。
───ドキ。
最初の文字から読む前に私の名前が書いてあることに気づいてしまった。手に力が入ってしまう。
“好きな人がいます。
彼女もこの学校に入学します。僕が隣にいたいのは彼女だけです。そういったって叶わないかもしれないから、ここに要望として書きます。
西野 恋色のパートナーは、彼女をとびきり笑顔にしてくれる人にしてください”
「...巳夜、くん」
「デステニーでパートナーを決めたから、当然その紙は組み合わせに関係してないの。
だから貴方たちが並んで隣にいたのを見た時、ああよかったって思ったわ」