花を飾った君に、いつか
まさかの一番目、外側のトラックだったにも関わらず私はスマホを準備していなかった。
巳夜くん撮れないじゃん!若干半泣きになりながら、遅ばせながらもスライドしてカメラを起動する。
人混みを避けて巳夜くんを探す私はなんとも格好悪いフォームをしていたと思う。
どこ、どこ、巳夜くんどこ!
「あ!いた......?」
「もっと見えやすいとこいてよ」
顔近、と思えば目の前にいた巳夜くんは、いつもより何百個くらい星をくっつけたようにキラキラしていた。
よく見れば、カードを持った何人もパートナーを探している。
そういうカードか
パートナーかそれとも好きな人か、お題を考えていると、手を繋がれてそれどころじゃなくなった。
「みみみやくん!わ、わたし...」
「なに、お題違った?恋色が違くても、俺の好きな人だから間違ってないよ」
好きな人、そんなフレーズが私に使われるなんて。
私たちは一歩も進んでいない。
つまり、もう最下位決定だ。