花を飾った君に、いつか
「────え?ええ?な、なんで」
「いつもの言わないの。おはよう巳夜くん、は?」
「お、おは...よう?」
「おはよ」
推しの巳夜くんを引きずりながらも新しい春がきて、無事合格できたこの学園の寮では二人同じ部屋で暮らすのが必須。
扉を開けてすぐ、好きでやまない彼の顔がお出迎えしてくれた瞬間、その場に崩れ落ちた。
つまり、デステニーによって選ばれた相手が巳夜くんだったってことで。
しゃがみ込んだ巳夜くんが下を向く私の頭を撫でる。甘い良い匂いにまた顔が熱くなった。
「あ...志望校教えてくれなかったの、誰かとゴールデンカップルになりたかったから?
うう、ごめんね私で〜...」
「違う。真似されるのは嫌だから、真似した」
「...私の?」
「あなたの」
そういえばあの日、真似されたくないって言ってたな?
ううん、それよりも...!
春休み挟んでの巳夜くん、かっこよすぎて瞬きしたくないくらいだし、加工してますか?
意地張って大きめのブレザー着てるのも愛しすぎる...