木曜日は立ち入り禁止。
私の緊張をほぐそうとしてくれてるのかな…
そう思うと何だかそれも嬉しくて。
「ありがとね」
と言うと、藤くんは不思議そうに首を傾げた。
「なにが?」
「ううん、なんでもない」
藤くんは変わらないな。
昔からすごく優しくて、ずっと一緒で慣れてしまっても気遣いをしてくれて。
毎日遊んでたから、中学が離れるってなった時は凄く悲しくて。離れても遊ぼうねって約束して、毎週会ってて……。
なんで、会わなくなったんだっけ……?
「大塚?」
「……あっ、ごめん、なんだっけ」
「えぇと、今週の木曜日、16時に美術準備室で良いかって話」
「あ、うん、大丈夫」
小さく頷いて、藤くんの顔をチラッと見る。
藤くんは、ん?と私の顔を見る。
「…藤くん、小学校の頃の思い出とか覚えてる?」
「うん、一応。楽しかったなって」
「ーー中学は、覚えてる…?」
少し、ほんの少しだけ藤くんの顔が曇ったように見えた。
「あー、うん、少しは」
「……私たちって、」
なんで遊ばなくなったんだっけ?
聞こうとしたそれは、後ろから掛けられた声に掻き消された。
「晴彦!部活あるんだろ?てことはキャラメルあるよな!ちょーだい!」
無邪気に笑う佐藤くんが居た。
「崚(りょう)…、お前そろそろ自分で買いなよ」
「えぇやだ、オレん家の近く売ってないもん」
「最寄りのKIOSKに売ってんでしょ」
……こんなにたくさん喋る藤くん、高校に入って初めて見たかも。
というか、佐藤くんって、佐藤崚って言うんだ。
佐藤くんはあっ、と私の方を見てキャラメルを1個、私の手に乗せた。
「みくるちゃん、オレの事覚えてる?同じ小学校と中学校通ってた、佐藤崚!主席番号後ろだったよオレ!」
これお近付きの印に!とくれたキャラメルはもちろん藤くんの。
そう思うと何だかそれも嬉しくて。
「ありがとね」
と言うと、藤くんは不思議そうに首を傾げた。
「なにが?」
「ううん、なんでもない」
藤くんは変わらないな。
昔からすごく優しくて、ずっと一緒で慣れてしまっても気遣いをしてくれて。
毎日遊んでたから、中学が離れるってなった時は凄く悲しくて。離れても遊ぼうねって約束して、毎週会ってて……。
なんで、会わなくなったんだっけ……?
「大塚?」
「……あっ、ごめん、なんだっけ」
「えぇと、今週の木曜日、16時に美術準備室で良いかって話」
「あ、うん、大丈夫」
小さく頷いて、藤くんの顔をチラッと見る。
藤くんは、ん?と私の顔を見る。
「…藤くん、小学校の頃の思い出とか覚えてる?」
「うん、一応。楽しかったなって」
「ーー中学は、覚えてる…?」
少し、ほんの少しだけ藤くんの顔が曇ったように見えた。
「あー、うん、少しは」
「……私たちって、」
なんで遊ばなくなったんだっけ?
聞こうとしたそれは、後ろから掛けられた声に掻き消された。
「晴彦!部活あるんだろ?てことはキャラメルあるよな!ちょーだい!」
無邪気に笑う佐藤くんが居た。
「崚(りょう)…、お前そろそろ自分で買いなよ」
「えぇやだ、オレん家の近く売ってないもん」
「最寄りのKIOSKに売ってんでしょ」
……こんなにたくさん喋る藤くん、高校に入って初めて見たかも。
というか、佐藤くんって、佐藤崚って言うんだ。
佐藤くんはあっ、と私の方を見てキャラメルを1個、私の手に乗せた。
「みくるちゃん、オレの事覚えてる?同じ小学校と中学校通ってた、佐藤崚!主席番号後ろだったよオレ!」
これお近付きの印に!とくれたキャラメルはもちろん藤くんの。