木曜日は立ち入り禁止。
仲良いんだなぁ。

「崚、お前大塚の…」
「え?大丈夫だって、晴彦!俺そんな気一切ないから!」

佐藤くんは藤くんの頭をぽんぽんーっとすると

「部活頑張ってなぁー!」

と教室を出ていった。

「……賑やかな人だね」
「うん、相変わらず」

そっか、小学校一緒だったもんね、よく覚えてるなぁ。

……あれ?
中学の時の佐藤くん、どんな感じだったっけ……?

「ーーか、大塚」
「えっ、な、なに?」

藤くんは怪訝そうな顔で私をみる。

「大丈夫?大塚の今日の様子、調子悪いってレベルじゃないような気がする」

やっぱり、一限のあれ、怖かった?

優しく聞いてくれる藤くんに申し訳なく思いながら頷いてしまう。

「……ちょっとね、私男子がそこまで得意じゃなくて」

驚いた顔の藤くん。それと同時に、すごく申し訳なさそうな顔をした。

「ごめん、さっきもすごく軽々しく肩触っちゃった」
「あ、ううん!そのくらいなら全然大丈夫!」

だってこれは

私のせいだし、私の問題だから。

私が克服すれば大丈夫。

そう言い聞かせて

「じゃあ、部活行こう」

藤くんの手を取って2人で美術室に向かった。
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