木曜日は立ち入り禁止。
「……うん、怖くない」
藤くんは良かった、と言って少しスピードを落とすと
「こうやって、ゆっくり何となく慣れていけばいいんだよ」
と言ってくれた。
駅に着いてホームのベンチに2人で並んで座る。
肩と肩が触れそうな距離にいるのに、今日は全然怖くなかった。
2人で並んで電車に乗って、2人で並んで座席に座って、2人で改札を抜ける。
駅を出てからは、藤くんは北口、私は東口に帰る。
はずなんだけれど
藤くんはずっと私についてきていた。
「あの、藤くん?藤くんの家って」
「え?いや、送る」
当たり前でしょ?とでも言いたげな表情で私の隣を歩く藤くん。
でも、私の家まで徒歩20分。
駅から藤くんの家まではだいたい徒歩15分くらいだから、私の家まで送ってくれるってなると、藤くんが家に着くまであと1時間近くかかることになる。
「申し訳ないよさすがに」
「いいの、俺がやりたいから」
「でも…」
「俺がモデルしてもらってたせいで遅くなってるんだから」
まぁ、確かに…。
私はお言葉に甘えて、家まで着いてきてもらうことにした。
家に着いて鍵を開けると、お母さんがバタバタと出てきた。
「美空琉!こんな時間まで何してたの?心配したんだから!」
時計を見ると20時。
「いつもはもうちょっと早く帰ってくるでしょう?それに木曜日なんだから尚更…」
「ごめんおばさん、俺の部活に付き合ってもらってて」
藤くんが私の後ろからひょこっと弁明する。
「えっ……、晴彦くん?!」
「そう」
「久しぶりねぇ…、大きくなって」
お母さんはびっくりしたような表情で藤くんを見つめて、
突然、彼の肩をガッと掴んだ。
「っ?!お母さん?!」
「…ごめんね、晴彦くん。晴彦くんが良かれと思ってやってくれてるのは凄く分かる」
藤くんは良かった、と言って少しスピードを落とすと
「こうやって、ゆっくり何となく慣れていけばいいんだよ」
と言ってくれた。
駅に着いてホームのベンチに2人で並んで座る。
肩と肩が触れそうな距離にいるのに、今日は全然怖くなかった。
2人で並んで電車に乗って、2人で並んで座席に座って、2人で改札を抜ける。
駅を出てからは、藤くんは北口、私は東口に帰る。
はずなんだけれど
藤くんはずっと私についてきていた。
「あの、藤くん?藤くんの家って」
「え?いや、送る」
当たり前でしょ?とでも言いたげな表情で私の隣を歩く藤くん。
でも、私の家まで徒歩20分。
駅から藤くんの家まではだいたい徒歩15分くらいだから、私の家まで送ってくれるってなると、藤くんが家に着くまであと1時間近くかかることになる。
「申し訳ないよさすがに」
「いいの、俺がやりたいから」
「でも…」
「俺がモデルしてもらってたせいで遅くなってるんだから」
まぁ、確かに…。
私はお言葉に甘えて、家まで着いてきてもらうことにした。
家に着いて鍵を開けると、お母さんがバタバタと出てきた。
「美空琉!こんな時間まで何してたの?心配したんだから!」
時計を見ると20時。
「いつもはもうちょっと早く帰ってくるでしょう?それに木曜日なんだから尚更…」
「ごめんおばさん、俺の部活に付き合ってもらってて」
藤くんが私の後ろからひょこっと弁明する。
「えっ……、晴彦くん?!」
「そう」
「久しぶりねぇ…、大きくなって」
お母さんはびっくりしたような表情で藤くんを見つめて、
突然、彼の肩をガッと掴んだ。
「っ?!お母さん?!」
「…ごめんね、晴彦くん。晴彦くんが良かれと思ってやってくれてるのは凄く分かる」