木曜日は立ち入り禁止。
「ちょっとりつ、教室でステップふむのはやめときなって」
「大丈夫だって!!…わっ?!」
ガチャンッ
言ったそばから転ぶりっちゃん。
手を差し伸べようとしゃがみ込んだところにころころと何かが転がってきた。
(これは…、4Bの、鉛筆?)
顔を上げると、私の斜め前の席が倒れていた。
「うわっ!ごめんなさい!!」
りっちゃんが必死に謝る姿に目もくれず、その席の主は淡々と落ちたものを拾っていた。
「はいこれ、落ちたよ」
席の主に話しかけると、綺麗で気だるそうな顔がこちらを向く。
「……どうも」
私にしか聞こえないくらいの小さな言葉と共に、私の手にあった鉛筆はもといた場所に帰った。
「やばっ、怒ってた…?」
席に戻って来たりっちゃんは、申し訳なさそうに私を見つめる。
「ううん、あんまりそんな風には見えなかったよ」
「そっかぁ、良かった…」
「いや、私には大激怒に見えたな」
「…なーさんんんっ」
2人がじゃれてる中、私は斜め前の彼に目を向けた。
確か、藤晴彦(ふじ はるひこ)くんだ。
小さい頃、お互いの両親が仲良しでよく遊びに行っていた。幼稚園と小学校が一緒だったから、毎日公園に行って…。それから
なんで会わなくなったんだっけ……。
「……みくる?どしたの?」
「あ、ううん、なんでも」
「そぉ?それにしても、あの藤くん?なんで高校生にもなって鉛筆なんだろ?」
いつも通り気だるそうな横顔は、たまに鉛筆によって少し遮られる。
「さぁ…、でも勿体ないよな」
「え?なんで?」
なーさんは少し眉をひそめた。
「だって、あんだけイケメンなのにあんま喋んないとか、高校生にもなって鉛筆持ってるとか、怠そうなとことか、ちょっと残念じゃん?」
「確かに」
ウンウン、と頷くりっちゃんとなーさん。
私は何故か頷けずにいた。そんな変な人じゃなかった気がするから。
「大丈夫だって!!…わっ?!」
ガチャンッ
言ったそばから転ぶりっちゃん。
手を差し伸べようとしゃがみ込んだところにころころと何かが転がってきた。
(これは…、4Bの、鉛筆?)
顔を上げると、私の斜め前の席が倒れていた。
「うわっ!ごめんなさい!!」
りっちゃんが必死に謝る姿に目もくれず、その席の主は淡々と落ちたものを拾っていた。
「はいこれ、落ちたよ」
席の主に話しかけると、綺麗で気だるそうな顔がこちらを向く。
「……どうも」
私にしか聞こえないくらいの小さな言葉と共に、私の手にあった鉛筆はもといた場所に帰った。
「やばっ、怒ってた…?」
席に戻って来たりっちゃんは、申し訳なさそうに私を見つめる。
「ううん、あんまりそんな風には見えなかったよ」
「そっかぁ、良かった…」
「いや、私には大激怒に見えたな」
「…なーさんんんっ」
2人がじゃれてる中、私は斜め前の彼に目を向けた。
確か、藤晴彦(ふじ はるひこ)くんだ。
小さい頃、お互いの両親が仲良しでよく遊びに行っていた。幼稚園と小学校が一緒だったから、毎日公園に行って…。それから
なんで会わなくなったんだっけ……。
「……みくる?どしたの?」
「あ、ううん、なんでも」
「そぉ?それにしても、あの藤くん?なんで高校生にもなって鉛筆なんだろ?」
いつも通り気だるそうな横顔は、たまに鉛筆によって少し遮られる。
「さぁ…、でも勿体ないよな」
「え?なんで?」
なーさんは少し眉をひそめた。
「だって、あんだけイケメンなのにあんま喋んないとか、高校生にもなって鉛筆持ってるとか、怠そうなとことか、ちょっと残念じゃん?」
「確かに」
ウンウン、と頷くりっちゃんとなーさん。
私は何故か頷けずにいた。そんな変な人じゃなかった気がするから。