真面目な鳩井の、キスが甘い。
「ヒナ?」
後ろから聞こえた男の子の声に、振り返る。
「……!」
透けるような白い肌に、茶色い緩くウェーブがかった、男子にしては少し長めの髪と、キレイな二重幅。
他の男子が全員ちんちくりんに見えてしまうほどのスタイルをもったその人は、私と目が合うとバサバサのまつ毛を瞬かせて、表情をパァ、と明るくさせた。
「ヒナ……!」
ブワッと全身に鳥肌が立ちあがった。
「……ノア……?」
佐須川ノア。
オーストラリア人のパパがいる、ハーフ。
私の元モデル仲間で……元、彼氏。
私は俄かに信じられない気持ちでノアから後ずさる。
「なんで……?アメリカに行ったんじゃ……」
「こないだ帰ってきたんだ。まさか同じ高校だったなんて……運命だ!」
ノアが涙ぐみながら私の元へ歩いてくる。
途中、ノアのポケットからスマホが落ちた。
地面の上で光ったそのスマホのロック画面を、二度見する。
「え」
私の写真……!?
「あぁ、ヒナ……っ」
ノアはあっという間に私の元までやってくると、そのまま私をギュッと胸に閉じ込めた。
「!?」
私の背中からほっぺあたりまでにまた鳥肌が立つ。
「ずっと会いたかったよ……!」
「…………は?」
今なんて言った?このスーパークズうんちくんは?