真面目な鳩井の、キスが甘い。
 もう、嫌になる

 もしかしてって思っても、



 『波木さんに好きな人ができたら言って』

 『好きな人できた時に困る』



 私の期待は、



「いっつも、違うの……っ」



 私は鳩井の好きな人になれなくて

 また〝やっぱり違った〟って落胆する未来が見えるの



「日向……?え……どした?」



 ひどく心配そうな美愛の顔を見て初めて、自分が泣いていることに気が付いた。



「あ、あれ?うそ、ごめ……ちょっとトイレ行ってくる…!」

「えっ、日向……!?」


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