真面目な鳩井の、キスが甘い。
「僕は……出来ればもっと波木さんを独り占めしたい……けど」



 鳩井の優しい声音に、鼓動が大きく忙しく騒ぎ出す。



「……え、?えっと……それは、どういう……」


「……」



 鳩井は少し言いにくそうに一度目をそらしてから、もう一度私を見て口を開いた。



「……抱きしめていい?」

「っ、え!?」



 予想外の言葉に、グワッと顔に熱が集中する。

 それを見た鳩井がハッとした。



「……あ、ごめん、やっぱやめとく。いま汗臭いし」

「えっ、待って待って、臭くない!全然臭くないからしたい、してほしい、して……!」


 むしろその匂い、大好物なんで!!(変態)


「や、でも本当に……」

「お願いお願い!ハグしたい!今!!」


 もはやどっちが言い出したのかわからないレベルで、私は鳩井に食い下がる。


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