真面目な鳩井の、キスが甘い。
 ……こないだうちに来た時以来。

 晴翔は反抗期になった。

 話しかけても鈍い反応しか返ってこないし、目も合わなくていつもイライラしてる。

 そのまま教室を去ろうとする反抗期くんの前に私は立ちはだかった。


「……んだよ」

「なんだ君その態度は!この前からおかしいぞ!なんか理由でもあるの!?」

「は?別にねーよ」

「まったくもー!牛乳を飲みなさい!牛乳を!もしくは小魚!」


 きっとカルシウムが足りてないんだ!


「……チッ」


 ほらね? 前だったら的確なツッコミが入ってたはずなのに、今は無言で舌打ちされる。

 反抗期めんどくさいぞ!澤晴翔!


 ヴーーーッ。

 
「わっ」


 わたしの机に置いてあったスマホが突然振動した。


< 183 / 320 >

この作品をシェア

pagetop