真面目な鳩井の、キスが甘い。
「ん。だーさんから電話だ」
私はすぐさま電話に出る。
「はいはーい」
《あっ、ヒナ?いま学校よね。ごめんね突然。今大丈夫?》
「ちょうど終わったとこだから大丈夫でーす!どうしたのだーさん~」
《今度の土曜日のCiderの撮影、急遽カップル特集の撮影やるんですって》
「カップル特集?」
私の言葉に、美愛と晴翔がピクッと反応する。
《リアル彼氏連れてきて撮影する企画。知ってるでしょ。あんたこないだ彼氏できたって言ってたわよね?》
「え……あー、うーん……」
私は再び鳩井の方をちら、と見る。
尾道くんが何か言ったことに対してちょうど鳩井が控えめに左側の口角を上げたところだった。
――なるべく静かに過ごしたい
「……ちょっと難しいかなぁ」
《そこをなんとか頑張ってよ!読者もヒナの彼氏って興味あるだろうし、話題になると思うの》
「うーん」
《マスク付きとか、顔出しなしとかでもいいのよ。彼、そんなに恥ずかしがり屋なの?》
「恥ずかしがり屋って言うか……そもそも生きてる次元が違うというか……」
《何をごにょごにょ言ってるのよ、まどろっこしい子ね!まぁ聞くだけ聞いてみてちょうだい。ヒナも前にリアル彼氏とカップル撮影するの夢って言ってたでしょ》
「あ〜……うん、言ってたねぇ」
そんな時代もありましたねぇ……。
《ちょっと頑張って説得してみなさいよ。それで今日中にどうだったか教えてちょうだい》
「はーい」
私は口を尖らせてだーさんとの電話を切った。
絶対無理だろうなぁと思いながら、五歩くらい後ろにいる鳩井に向けてメッセージを作成する。
その作成画面を普通に覗き込んでくる美愛。
私はすぐさま電話に出る。
「はいはーい」
《あっ、ヒナ?いま学校よね。ごめんね突然。今大丈夫?》
「ちょうど終わったとこだから大丈夫でーす!どうしたのだーさん~」
《今度の土曜日のCiderの撮影、急遽カップル特集の撮影やるんですって》
「カップル特集?」
私の言葉に、美愛と晴翔がピクッと反応する。
《リアル彼氏連れてきて撮影する企画。知ってるでしょ。あんたこないだ彼氏できたって言ってたわよね?》
「え……あー、うーん……」
私は再び鳩井の方をちら、と見る。
尾道くんが何か言ったことに対してちょうど鳩井が控えめに左側の口角を上げたところだった。
――なるべく静かに過ごしたい
「……ちょっと難しいかなぁ」
《そこをなんとか頑張ってよ!読者もヒナの彼氏って興味あるだろうし、話題になると思うの》
「うーん」
《マスク付きとか、顔出しなしとかでもいいのよ。彼、そんなに恥ずかしがり屋なの?》
「恥ずかしがり屋って言うか……そもそも生きてる次元が違うというか……」
《何をごにょごにょ言ってるのよ、まどろっこしい子ね!まぁ聞くだけ聞いてみてちょうだい。ヒナも前にリアル彼氏とカップル撮影するの夢って言ってたでしょ》
「あ〜……うん、言ってたねぇ」
そんな時代もありましたねぇ……。
《ちょっと頑張って説得してみなさいよ。それで今日中にどうだったか教えてちょうだい》
「はーい」
私は口を尖らせてだーさんとの電話を切った。
絶対無理だろうなぁと思いながら、五歩くらい後ろにいる鳩井に向けてメッセージを作成する。
その作成画面を普通に覗き込んでくる美愛。