真面目な鳩井の、キスが甘い。
 顔をのぞかせたのは、髪を二つ結びにした中学生くらいの女の子。

 サラサラな黒髪と、どことなく輪郭が鳩井と似てる。

 鳩井妹だ!


「……えっ?」


 ドアから顔を出したその子は私をつぶらな瞳で見つめてかたまってしまった。


「あっ、えと、突然ごめんなさい!わたし、波木日向と申します!鳩井ー……じゃなくて、和音くんに、」

「え、ひ、ヒナ、ちゃ……?」


 妹ちゃんは両手を口元に添えて、目を見開く。


「あっそうでーす!」

「キャーーーーー!!」

「!?」

 
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