真面目な鳩井の、キスが甘い。
 ゆっくりと唇を離すと、


「嫌じゃない……?」


 また鳩井がいらない心配を口にした。

 嫌どころか、
 

「……もっとしたい」

「……」


 鳩井がいつものように耳裏から手を差し入れて首後ろを持って引き寄せると、もう一度キスをする。

 そのまま見つめ合って、さらにもう一度。

 徐々に濃くなっていくそれに流されるように身を任せていると、鳩井はそのまま私を押し倒すようにしてベッドにのった。
 
 ギッ……と軋む音が生々しく響いて、ドキンと心臓が跳ねた。

 
「……すっぴん」

「え」

 

 今?

 そこ、今突っ込むの?

 急に恥ずかしくなって私は顔をバッと隠した。



「ごめん!見苦しい!?」



 鳩井が私の手を取って、まじまじと見る。



「……逆」

「え…っ?」

「可愛いすぎる」

「!」



 鳩井は私の手を捕まえたまま、もう一度キスすると、愛おしそうにとろんとした目で私を見た。


「……いつもの波木さんも綺麗でいいけど、これはなんか、無防備で……やばい」

「やばい……?」

「うん……やばい」



 鳩井も語彙力失くすこと、あるんだ?


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