真面目な鳩井の、キスが甘い。
「! ちょっと」

「あははっ、鳩井、へたくそかよ~」


 泣きそうな気持ちに面白い気持ちが勝って、笑いが止まらなくなる。


「あっはは、あはははは」
 
「……練習したんだけど」

「練習?ヨシヨシの?どうやって?」

「しまうまで」

「なにそれ!見たかった!!」

「やだよ」

「あはは!」


 真面目にヨシヨシの練習する鳩井を想像したら可愛くて、愛おしくてたまらなくなって、私は顔をあげた。


「はー……好きっ!」


 やっぱり鳩井が、大好き。死ぬほど好き。


「……うん」


 鳩井が左側の口角をあげてふ、と笑ってくれて、また胸が苦しくなる。


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