真面目な鳩井の、キスが甘い。

　涙を垂れ流したまま呆然とする私をよそに、鳩井は自分の肩に顔を俯かせるようにして、くつくつと笑いをこぼれさせている。


「えぇ～なんで笑うのぉ～……？」

「ごめ……ふ」


　そう言ってまた肩を震わせて笑う鳩井。


「なに、わかんないよ、どういうこと……？」

　
　本当に意味が分からなくて、困惑しつつやっぱり涙は止まらない。

　そんな私を鳩井は優しい目で見て、ぽろぽろと流れ続けるそれを服の袖で拭ってくれる。

　
「ふ。すごい顔。可愛い」

「え～絶対ブスじゃん～～～」

「これがブサカワ……」

「しみじみ言わないでぇ」

「ん゛っ」