真面目な鳩井の、キスが甘い。
サロ●パス波木
……
……うーん
頭がぼんやりする
誰かの温もり……背中……?
気持ちいい
なんか良い匂いするし
ナチュラル石鹸系の匂い
ずっと嗅いでたいなこれ……
……あれ
匂い、しなくなっちゃったな
「ヒナ!?」
「!」
降ってきた声にハッと目を開けた。
そこは、今日の仕事場の撮影所があるビルの、入り口付近にあるベンチ。
「やだ、こんなとこで寝ちゃダメよヒナ~!」
心配そうに私の顔を覗き込む、マネージャーの豊田信男。通称だーさん。
私の心臓がドッドッドッドッとフルスロットルで動いているのは、自称ゴテゴテバリヤバマッチョ系オカマのだーさんの、どちらかと言うと雄みの強い顔面にくっついたバッサバサまつ毛がすぐそこにあったから。
「だーさん…?え、ビビったー…」
至近距離だーさんは何回見ても迫力が衰えない。