真面目な鳩井の、キスが甘い。
 顔を真っ赤にして喜ぶ彼女たちに手を振ると、先に駅の外に出て私を待っていた晴翔と美愛が目を細めている。


「やーやー幼馴染たち!おまたせー!」

「テンションたっか」

 低血圧な美愛があくびして言う。

「自分からファンにハグする?海外セレブかよ」

 その隣の晴翔が信じられない、という顔で私を見下ろしてる。

「まさか男相手にもやってねぇだろうな」

「まっさかー!さすがにやら……あ、こないだやったかも?」

「は!?」

「なんかポチャッとしてて熊さんみたいな男の子だったからついーヘヘッ」

 晴翔が大きなため息をついた。

「それやめろよマジで……変なやつに目つけられても知らねーぞ」

「あらあら晴翔くん、自分が羨ましいからってモゴッ」

 何かいいかけた美愛の口を晴翔が後ろから手で塞いで、美愛がその腕をパンパン叩いてギブを申告してる。

 今日も幼馴染たちは元気そう。

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