真面目な鳩井の、キスが甘い。
先生がピッ!と甲高い笛の音を響かせると、みんなが一斉に走り出す。
憂鬱な体育の授業が始まってしまった。
今日の授業内容は、バスケットボール。この世で最も苦手なスポーツだ。
「尾道!あっちまわって!」
即席チームのリーダーになったバスケ部エースの澤くんが、相手チームのディフェンスをかわしながらドリブルし、大きな声でチームメイトに指示を出す。
澤くんの手に吸い付くバスケットボールは意のままに操られ、さっきパス練習で僕を翻弄していたボールと同じものとは思えない。
案の定、見学してる女子たちの視線は澤くんに集まって、黄色い声援が飛ぶ。
みんながキュキュッと靴を鳴らして走り回る中を、自分も少し見えづらい視界の中でウロウロする。
「おい!絶対晴翔をフリーにすんなよ!!」
やっぱり澤くんへの当たりが強い。
当然だ、澤くんを野放しにしたらすぐにゴールポストにボールが入ることになる。
現にさっきの試合では澤くん1人で20ゴールも決めていた。
でも一人に対し4人はさすがにつきすぎなんじゃないだろうか……なんて、澤くんと同じチームのくせに何もできない自分には、そんなことを考える資格もないのかもしれない。
ちなみに、僕の周りにつくディフェンスはいない。
まともにドリブルも出来ないやつの所にパスが回ってくることはないからだ。
そのくせいいポジションを見つけることだけは無駄に得意だから、とりあえずそこに身を置いてしまう。
憂鬱な体育の授業が始まってしまった。
今日の授業内容は、バスケットボール。この世で最も苦手なスポーツだ。
「尾道!あっちまわって!」
即席チームのリーダーになったバスケ部エースの澤くんが、相手チームのディフェンスをかわしながらドリブルし、大きな声でチームメイトに指示を出す。
澤くんの手に吸い付くバスケットボールは意のままに操られ、さっきパス練習で僕を翻弄していたボールと同じものとは思えない。
案の定、見学してる女子たちの視線は澤くんに集まって、黄色い声援が飛ぶ。
みんながキュキュッと靴を鳴らして走り回る中を、自分も少し見えづらい視界の中でウロウロする。
「おい!絶対晴翔をフリーにすんなよ!!」
やっぱり澤くんへの当たりが強い。
当然だ、澤くんを野放しにしたらすぐにゴールポストにボールが入ることになる。
現にさっきの試合では澤くん1人で20ゴールも決めていた。
でも一人に対し4人はさすがにつきすぎなんじゃないだろうか……なんて、澤くんと同じチームのくせに何もできない自分には、そんなことを考える資格もないのかもしれない。
ちなみに、僕の周りにつくディフェンスはいない。
まともにドリブルも出来ないやつの所にパスが回ってくることはないからだ。
そのくせいいポジションを見つけることだけは無駄に得意だから、とりあえずそこに身を置いてしまう。