小児科医の恋愛事情 ～ 俺を選んでよ…もっと大事にするから ～

ゴホッ････ゴホゴホッ･･。
思いもよらない問いかけに、コーヒーでむせてしまった。

「大丈夫かよ〜」

「なんか変なとこにコーヒーが･･。それより、どうしてそんなこと聞くんだ？」

大翔の質問の意図によっては、彼女とのことを話そうと思っていた。

「祐一郎なら、受け入れてやれるんじゃないか･･って思ったからさ」

受け入れる？
･･言っている意味が分からない。

「俺、茉祐子が困ってる時に話聞いてやれなくてさ。それどころか、責めたんだ･･」

「ちょっと待て大翔。そもそも、何があったんだよ」

「あーごめん。今度時間がある時でもいいか？　ちゃんと話すよ」

大翔は『お疲れ』と言って救急外来に戻って行った。


俺は医局に寄り、当直室の奥でシャワーを浴びてから服を着替えた。
ロッカーの扉を閉め、彼女の言葉を思い出す。

『終わったら、ここに帰ってくる？』

２４時半･･か。
いつでもいいとは言ってたけれど･･今夜はもう遅いよな。

でも、もしかしたら待っているかもしれないし、連絡だけは入れようと思った。
もし返事が来なければ、このまま病院に泊ってもいい。

『終わったよ。もし起きてたら返事して。もう寝ていて、明日の朝これを見たとしても気にしなくていいから』

そうメッセージを送ると、すぐに返事が届く。

『そろそろ寝ようかと思ってたところ。来る？　祐一郎のお布団も準備してあるよ』

俺は『今から行く』と送り、彼女の家に向かう。
もう少し、一緒にいられたらと思って。