小児科医の恋愛事情 ~ 俺を選んでよ…もっと大事にするから ~
ルームサービスで朝食をとりながら、今日の予定を確認する。
9時半から・・か。8時半にここを出れば余裕で間に合う。

「俺、8時半くらいに出るつもりだけど、茉祐はどうする?」

「んーと・・じゃあ私も一緒に出ようかな。神戸に移動して、資料見返したりするから」

「うん。夕方、18時半の新幹線だからさ。茉祐が18時くらいまでに新大阪に戻って来れそうなら一緒に帰ろう。連絡してくれれば、チケット取るから」

確か午後の最初のプログラムだと13時10分開始で、講演が2時間。
15時過ぎに終わり、神戸を17時半に出るとしたら、問い合わせ対応にかけられる時間は2時間ほどだ。

ちょっと厳しいかもしれないな・・。

「終わりが夕方になっちゃうと、打ち上げ兼ねてご飯食べに行こうっていう流れになるから遅くなるかも。そうなったら、神戸に泊まるわ」

「そう・・だな。あんまり無理して酒に付き合うなよ」

「うん、分かってる」

「心配なんだよ。遠くにいたら、発作が起きても何もしてやれないから」

そう言った俺に、彼女は身支度の手を止めて微笑んだ。

可愛い・・。
あー、もうこのまま連れて帰りたい。

白坂教授のチームは男ばかりだし、イケメン揃いらしい。
そこに彼女を行かせるなんて、ある意味片頭痛よりよっぽど心配なんだよな・・。

「ねぇ、祐一郎が心配してるのは片頭痛だけなの?」

俺の顔をのぞき込み、わざと独占欲を煽る彼女に悪戯しようと思い立った。

「や、ちょっと・・ダメだって・・。祐一郎ってば!」

俺は、彼女の鎖骨の辺りにキスマークを付けた。

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