小児科医の恋愛事情 ~ 俺を選んでよ…もっと大事にするから ~
教授たちの口に合うのは何だろうな・・。
スマートフォンで検索しながら、ふたりが出てくるのを待っていた。

「おー、西島」

「お帰りなさい、高浜教授」

「朝から申し訳ないね、私まで世話になって。神崎です」

そう言って、高浜教授の知人は右手を出した。
俺はその手を握り、挨拶する。

「初めまして神崎先生、西島です。朝食は・・和と洋どちらがお好みですか?」

神崎先生は、俺の顔をじっと見ている。
何だ・・?

「あの・・神崎先生、何か・・」

「ああ、すまないね。イケメンドクターだなぁと思って、つい。そうだな、和食でもいいかな?」

「もちろんです、行きましょう。少し歩くので、荷物は私が」

ふたり分のスーツケースをカートに乗せ、美味い和朝食が食べれる店に向かう。
シンプルな和定食に加え、白がゆや茶漬けもある店だ。

「おお、これはいい。わかってるなー、西島」

「まったくだ。こういうのを食べたかったんだよ。高浜は気の利くドクターを育てたな」

「神崎先生・・恐縮です」

俺に現地の土産話をしてくれる高浜教授をよそに、ゆっくりと食事をしていた神崎先生がふいに口を開いた。

「ところで、西島くんはなぜ小児科医に? 身体つきもしっかりしているし、外科や救急あたりを選んでもおかしくなさそうな感じだが」

「言われてみればそうだな。俺もちゃんと聞いたことが無かったから、聞かせてくれよ」

ふたりに尋ねられ、そういえば彼女にも知り合った頃に聞かれたっけな・・と思い出していた。

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