小児科医の恋愛事情 ～ 俺を選んでよ…もっと大事にするから ～

もしかして、大翔がそうだったから･･なのか？

もしそうだとしても、彼女のところに泊まったことがあるとしても、それは過去のことだ･･。
そう、考えようとした。

「ところで、茉祐子は元気か？　最近、どうしてる？」

「･･なんでそんなこと聞くんだ？」

「え？　なんでって･･ただどうしてるかと思っただけで･･」

呆気にとられた顔で、大翔が瞬きをしている。

ダメだな･･。
彼女とのことを勘ぐった気持ちが、言葉に出てしまう。

「何かあったのか？」

「何も･･。ごめん、ちょっと嫌な言い方して」

「まぁ･･な、毎日いろいろあるし、いろんな人見てるから、気持ちが抑えられないこともあるって」

「ん？　大翔こそ、何かあったのか？」

大翔にしては珍しい物言いが、逆に気になった。
誰かとトラブルでもあったんだろうか。

「少し前に、医局長と言い合いになってさ。結構ダメージでかくて････もう救急から異動しようかなって思ったりもする。
そういう精神状態の時に、彼女の相手するのがキツくてさ。しばらく時間を置きたいって伝えたら、そっちはそっちでキレられた。
祐一郎や茉祐子なら、こんな状態の俺のことも分かってくれるかなーとか、話聞いてもらおうかなーって考えて、茉祐子はどうしてる？って聞いたんだ」

友達として･･か。
そう･･だよな。

「明日の夜から、国際会議場近くのホテルに泊まり込みで会議のスタッフをすることになってる。毎日、その資料と格闘してるよ」

俺は彼女の近況を大翔に伝えた。