小児科医の恋愛事情 ~ 俺を選んでよ…もっと大事にするから ~
第5章 過去
車を置いて、俺は国際会議場に向かう。
もし早く着いたら仕事中の彼女を見ることができるかもしれないと、事前に高浜教授から、一時的に入場可能なテンポラリパスを出してもらっていたのだ。
『西島は会議を聞きに行くんじゃなくて、彼女を見に行くのか?』
そう言って、からかわれたけれど。
受付を済ませ、会場のスタッフにドアを開けてもらい大会議室に入る。
見渡すと、演台からほど近い場所にいくつかデスクが並べられていて、そのひとつに彼女が座っていた。
ディスカッションの内容を逐次翻訳しているのだろう。
彼女のタイピングの動きと連動して、演台後ろの大きなスクリーンにほぼリアルタイムで字幕が表示される。
「すごいな・・茉祐」
家で翻訳作業をしている様子はいつも見ているけれど、実際に現場で仕事をしている彼女を見るのは初めてだった。
あの女性が俺の彼女で、俺の未来の・・だよな・・。
そう考えるととても誇らしく、会議室の端からしばらく彼女を見つめていた。
16時が近くなった頃、会議は10分間の休憩に入った。
彼女はヘッドセットを外し、隣の席の男性と言葉を交わして会釈する。
すると、その男性がヘッドセットを着用してタイピングを始め、会議再開についての案内字幕を表示させたのを見て、交代したのだと思った。
機材や書類をバッグに入れ、演題脇のドアから会議室を出た彼女を追いかけようと、俺も後方のドアから出て彼女を探した。
もし早く着いたら仕事中の彼女を見ることができるかもしれないと、事前に高浜教授から、一時的に入場可能なテンポラリパスを出してもらっていたのだ。
『西島は会議を聞きに行くんじゃなくて、彼女を見に行くのか?』
そう言って、からかわれたけれど。
受付を済ませ、会場のスタッフにドアを開けてもらい大会議室に入る。
見渡すと、演台からほど近い場所にいくつかデスクが並べられていて、そのひとつに彼女が座っていた。
ディスカッションの内容を逐次翻訳しているのだろう。
彼女のタイピングの動きと連動して、演台後ろの大きなスクリーンにほぼリアルタイムで字幕が表示される。
「すごいな・・茉祐」
家で翻訳作業をしている様子はいつも見ているけれど、実際に現場で仕事をしている彼女を見るのは初めてだった。
あの女性が俺の彼女で、俺の未来の・・だよな・・。
そう考えるととても誇らしく、会議室の端からしばらく彼女を見つめていた。
16時が近くなった頃、会議は10分間の休憩に入った。
彼女はヘッドセットを外し、隣の席の男性と言葉を交わして会釈する。
すると、その男性がヘッドセットを着用してタイピングを始め、会議再開についての案内字幕を表示させたのを見て、交代したのだと思った。
機材や書類をバッグに入れ、演題脇のドアから会議室を出た彼女を追いかけようと、俺も後方のドアから出て彼女を探した。