小児科医の恋愛事情 ~ 俺を選んでよ…もっと大事にするから ~
そして、ゆっくりと頭を上げた瞬間。



・・・・嘘・・・・だろ?



既視感のある姿に愕然とした。


神崎先生の後ろ姿は・・・・あの男の、後ろ姿だった。


新大阪の駅で『まゆこ』と呼んだ声も。
新神戸の駅で、彼女と話していた男も。
『それじゃ』と彼女の家から出てきた男も。

ホテル近くの駅ですれ違った男も。
ホテルの廊下で大翔が大きな声を出していた相手も。


全部・・全部、神崎先生・・・・?


どうして・・・・?


だとすると。

『かなり飲んで酔った時に、一度だけ・・』

その相手も・・・・神崎先生・・なのか?


俺はその場に立ち尽くしたまま、一歩も動くことができなかった。


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