嘘つきさん
そんな事を思っているうちに学校に着く。梨奈は教室に入るなり
「七海!!おはよー!」
と楽しそうに話しかけている。

七海ちゃんのどこがいいんだろう。私と話してる方が絶対楽しいはずなのに。
そんなどす黒い感情が心を支配する。

でも、七海ちゃんと話してる梨奈はすごくいい笑顔をしている。

「…あんなくだらない話で笑ってるのに、なんで私のときは笑ってくれないの」

小さな声でつぶやいた言葉は2人の笑い声にかき消された。

「梨奈ちゃんほんと可哀想ー」

「あんなクズに付きまとわれるなんて…」

「あいつが梨奈っちに近づいてきたの発見したら阻止してあげるからね!!」

そんなクラスの女子たちの話し声が耳に入る。きっと私のことなんだろう。

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